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教育関連事業

【日本・ニュージーランド 教員交流事業】

2010年
  日本人教員の「ニュージーランド教育視察」


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日本ニュージーランドセンター企画の「ニュージーランド教育視察」も2010年で 5 回目となりました。

日本人教員の方にニュージーランドの学校や、保育施設、ニュージーランド教育省等を視察頂き日本と違うニュージーランドの教育の現場を見ていただきながら、ニュージーランド教員達と意見交換、交流し自己啓発研修して頂く事業です。

このプログラムは、ニュージーランド公的機関が支援していることが大きな特徴で、ニュージーランド公的機関が積極的に協力・支援している教育関連プログラムは他に類を見ないと思われます。

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ニュ ージーランド国の交流機関であるアジアニュージーランド基金、受入元の地方自治体・ハット市役所という二つのニュージーランドの公的機関の支援協力を頂いています;

●国の交流機関が訪問団を歓迎し、参加者にこのプログラムの重要性を説明します。

●市役所が訪問先の各種手配とともに視察全行程には市役所職員を同道させ万全の協力体制を整備します。

これは、教育視察参加者がニュージーランドの高い教育の現場を視察し自己啓発に役立てていただけるとともに、参加者全員から「行く先々で温かく手厚く受入れられた。」と当プログラムに高い評価を得ている大きな要因です。 

 

日本ニュージーランドセンターとして、 1 人でも多くの日本の教員の方にこの「ニュージーランド教育視察」プログラムに参加頂き、ニュージーランドの教育の現場を見、ニュージーランド教員との意見交換を通じて夫々の自己啓発や帰国後の授業にこの体験を役立てていただけたらと願っています。

 

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2010年 視察テーマ:

学校訪問、NZ教育省訪問は下記のテーマについてNZの各学校に視察受入をお願いし、受入先の学校には、日本の先生方とニュージーランド教員の方々との意見交換の機会設定を依頼しました。

@ 保育施設: 幼児虐待防止について

A 小学校: いじめ対策、障害児教育

B 中高等学校: 学校教育の観点から「生徒とラグビーとの関わり方」について、及び学力向上について

 


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●プレイセンター(保育施設):

親が協働でお互いの子供達を保育する世界でも注目を集めるニュージーランド独自の保育システム。小学校就学前までの子供を対象とし、親もプレイセンター連名の保育トレーニングを受ける。センター施設の土地は氏が提供し、NZ教育省からの補助金も出るので保育費用は格安で運営できている。お宿押しのセンターでの役割が決まっていて、子供達の行動記録が残され、プレイセンター連名の系統的な保育プログラムに沿って実施されている。大きな特徴は、≪母親がひとりで育児に悩まない≫工夫がここにある。

 

 

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●公立小学校

視察受入時に申入れた「いじめ予防対策」について校長先生からこの学校での対策として導入しているプログラムの説明を受けた。
そのプログラム導入以後いじめの兆候の初期段階で見つけ、すぐに対策を施すことで学校内でのいじめはなくなっているとの説明を受けた。また日本の先生方がNZの先生方達との懇談が出来るよう図書室で昼食を一緒にとる機会を設定していただいた。

 

 訪問団歓迎の挨拶をする校長先生と生徒達

 

 

 

 

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●公立特別支援学校

ニュージーランドでは重度の精神的・身体的障害児はこのような特別支援学校で教育を受けている。 
校内の朝のミーティング時に日本からの訪問者のためにと、男子生徒による「ハカ」を披露し歓迎してくれた。障害の度合いによってクラス分けがされ、視察する中には日本人の自閉症男児がいるクラスがあった。前は殆ど言葉が出なかったその生徒が最近短い言葉なら話すようになったとの成果と、男児の両親が支援学校の支援教育に対し感謝しておられるとの説明を聞いた。

授業の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

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● 私立男子中高等学校:

ニュージーランド国内有数の文武両道優良校。
ラグビー 1 軍選手によるスクールハカで歓迎を受けた。校長先生による学校の説明、ラグビー部 1 軍コーチによる学校教育の観点から「生徒とラグビーとの関わり方」について説明を受けた。訪問団は少人数に分かれて希望のクラスに授業参観に行き、中には“ゲストティーチャー”の日本語教員として生徒の前でスピーチをしNZの学校で日本語の先生をした方もおられた。

 

 

 

 

 

 

 

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●公立共学中高等学校:

NZでは学校ごとにスクールハカの振付け、歌詞は違い、ラグビー部選手によるこの学校のハカは荘厳な感じがした。また、こちらから依頼で 1 軍選手と日本人教員との懇談会の場を設定していただき、日本人教員からの質問に選手達が真摯に答える訪問団への丁寧な姿勢が好ましかった。少人数に分かれて各クラスの授業参観に行き、授業の教室の中まで入り先生と生徒のやり取りを身近に参観できた。

ラグビー部1軍選手達との懇談会で
日本人教員の質問に丁寧に 答える選手達



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ニュージーランド教育省:
国際部部長からニュージーランドの教育制度について説明を受けました。その後、質疑応答でも丁寧に答えていただき、参加された日本人教員の方からも、ニュージーランド教育省で同国の教育制度について詳細な説明が聞けることは貴重な機会という声をいただきました。



ニュージーランド教育省 国際部プロジェクトマネジャー、
Mr Steve Benson

 

 

 

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● 「 Reading For Life」 ● 学習遅滞児への地域サポートプログラム

「Reading For Life」プログラムのキット




社会人が小学生の学習遅滞児をサポートしているプログラム。
働いている人たちが地域の小学校に行き、読解力を向上させる必要のある生徒達(7歳から10歳)を援助する。ボランティアは、 訓練を受けた心理学者等によってサポートされた人達で、 10 週間から 15 週間、毎週子どもと1対1で 45 分間このプログラムに参加します。

学習遅滞は様々な原因で起こり、援助が無ければ学習困難を抱えている子ども達は将来就職の機会も少なく、ドラッグなどに溺れたり、ホームレスになったりする可能性があります。「 Reading for Life 」に参加した子ども達は8ヶ月で読める力がつき、9ヶ月で読解力を深め、 15 週を超える6ヶ月でさらに読む力が向上している。



 

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「ニュージーランド教育視察プログラム」の成果

◎【 NZ公的機関の協力プログラム】

アジニュージーランド基金、ハット市役所というニュージーランドの国の交流機関、受入先の地方自治体が全面的に協力・支援のプログラムです。 受入先のハット市役所は、このプログラムに必要なアポの設定、通訳、バス、食事、ホテルなど全ての手配を行います。各訪問先はすべて公式訪問の受入れで日本人教員グループは手厚く歓迎されました。

日本・ NZ 教員の意見交換の貴重な機会

訪問する各学校では、授業の参観と共にニュージーランド教員との意見交換の場を設定し、教員同士ならではの貴重な意見交換が出来る機会を設けています。このプログラムは単なる授業参観ではなく、各学校で現地のニュージーランド教員達との貴重な意見交換の場が設定されています。今年も訪問した全ての学校で、校長による説明の後、質問の時間があり日本人教員から直接現場で学校長に質問できる機会がありました。

◎ 【国際理解:ニュージーランドの歴史・文化・自然保護意識】

ニュージーランド国立博物館、マオリの伝統と歴史を紹介する集会所、ニュージーランドの絶滅危惧生物の保護(サンクチュアリー)を訪問することで ニュージーランドの国の歴史・伝統・自然保護のニュージーランドへの国際理解を深めていただくプログラム設定です。

 

以上の点から、一人でも多くの日本人教員の方にこのプログラムへの参加を呼びかけ、今後とも日本・ニュージーランド間の教員交流事業として継続実施し発展させていきたいと願っています。

 

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● 2007年度「ニュージーランド教育視察」

● 2008年度「ニュージーランド教育視察」

● 2009年度「ニュージーランド教育視察」

 

 

                

 

 

 

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産経新聞に掲載された、
ニュージーランド教育視察の連載記事
「共に育つ: ニュージーランドでは今」 第1回ー第2回 
9月1日−9月2日版

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9月1日版:「初めから立派な親いない」

 

9月2日版:「マオリ語他文化と共生」

 

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プレイセンター壁面の展示

 

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参加された教員の方々のコメント:

●(保育施設)
 

* アドバイザーが中心になり、家族も参加して、温かい環境で子供たちがのびのびと育っていることがとても印象に残った。安全面にも、とても配慮されている。親の連携も取れているので、若い母親も安心して子育てができている。日本にもこのような保育施設が増加すれば、悲惨な虐待も減少すると思われる。

*  社会全体で「子育て」をしていこうとする考えや施設そのものを皆でよくしていこうとする気持ちが伝わってきて日本とは異なる大変ユニークな施設であることが良く分かりました。日本で同じことが出来ないまでも学べる点は多かったと思います。

*  設立当初の発想や現在の運営方法に『自分達の子を自分達で何とかしよう。育てよう』とする思いがあふれていてさらにそれに対して政府や社会の理解の下にフォローがなされていることを大変羨ましく思った。

 

 

 

 

 

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●参加された教員の方々のコメント:

●(公立小学校)

 

* 礼儀正しくしっかりと視線を合わせて微笑むことの出来る子供達がいました。見知らぬ人の話しかけに応じてはいけないと人間不信に陥らせるようなことを毎日口すっぱく言っている日本とは大違いでした。 『いじめがない』と校長が断言していたがもっと時間はあれば色々と意見交換ができただろうと思います。


* 施設は明るく機能的に作られていると感心した。授業も選択制で授業時間も適度でテンポよく移動して、効率的に行われていた。 子供達の個性と自由・秩序を尊重していることが良く分かった。一斉授業に片寄りのある自分の授業を反省した。

* 高い理念を持って取り組まれていると感じた。ただ、話を聞かない子供や参加しない子供に対しては特に何か対策がある風ではなく、教室の後ろのほうに一人でいたりしていて、成績の差が出てくる原因の一つになるのではないかと思われた。

小学校内の教室の様子

 

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歓迎のハカを披露する生徒達

●参加された教員の方々のコメント:

 
●(公立特別支援学校)

* 校長先生の生徒たちに対する情熱がひしひしと伝わってきた。その思いが、先生方にも伝わって、どのクラスも生徒たちの機能訓練や知能発達のため、きめ細かいプログラムを作成し、必死に支援していた。生徒たちも楽しそうに、歌ったり、自分を表現していたのが印象的だった。


* おおまかな制度ややり方は日本と同じと感じた。一人一人に合った教材を用意して取り組むことも変わらないと思う。違ったのは、教室の広さと生徒と教師の数で、音楽セラピストがいることもすばらしいと思った。小学部にあたる低学年の生徒が小学校の敷地で学習している環境は相互にとって良いのではないかと思う。

*  男性教師の少ないことが気になった。来年度新校舎が出来るのが楽しみだし子供達にとってより良い環境が整うことは素晴らしいと思う。


 

 

 

 

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●参加された教員の方々のコメント:

 

●(私立男子中高等学校)

*歴史と伝統があり、出来上がっている学校でした。教育方針も勉強だけではなく、人間力を高める部活動、学校行事があり、日本の灘高校のような印象を受けた。特に、授業開始のチャイムがなく、自主的に定刻に集まる仕組みには驚いた。施設も分野別に最高のものがあり、また、馬場が隣接していることが不思議だった。校長がラクビーをやっていたので、個人的にも親近感が持てた。

 

* 国内有数のトップ校と聞き、緊張した雰囲気があるかと思っていたが生徒達には良い意味でのラフさがありさわやかな印象が残った。日本語学習のゲストテイーチャーとして参加できたのも楽しかった。

 

*  成績もスポーツも文武両道ですばらしかった。それ以外に、たとえば表彰や奨励の機会がとても多いことや、他校と比べずに独自の基準で生活態度や、改善した点をほめることなど、生徒に自信を持たせるように工夫をされている点がそういった学校全体の向上につながっているのではないかと思い、良い学校の見本を見ることで参考になった




ライブラリーで自習する生徒達

 

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●参加された教員の方々のコメント:

● 公立共学中高等学校(抜粋)
 

*多民族が入り交ざったNZの普通の学校だと思った。生徒は明るく、積極的な印象を受けた。特に、ラグビー選手との交流会では、生徒たちはユーモアもあり、しっかりした受け答えができていた  

 

*服装の乱れも無く、どの子もいきいきと楽しそうだった。校舎ですれ違うときははにかみながらも会釈してくれたし、皆友好的に迎えてくれた。

 

* 日本でも見られる公立学校ならではの生徒を取り巻く生活・家庭事情や日常的な学習の状況、社会的な背景等を端的に知ることができました。日本とは異なる事情や多民族国家ならではの配慮も感じられました。

 

スクールハカを披露する
ラグビー部1軍選手達

 

 

 


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●(ニュージーランド教育省)
 

* NZ教育省は国全体の教育について企画、指導、監督できる機関で、個人的には、お会いできないし説明を受けることができない。今回は、全般的な説明を受けるだけではなく、詳細な質問をすることができ良かった。

教員の授業スタイルを大切にするが、責任も個人に帰ってくること等、興味深い話もありました。 日本も学年制度を含めて、教育を見直すため、NZの教育を学ぶ必要があると感じました。                                     

*初日に訪問できたことが良かった。後に訪問した学校の取り組みへの理解がより深まったと思う。

 

* ニュージーランドの国の方針が良く分かり日本との違いに愕然とした。


 

 

 

 

 

 

 

 

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「Reading For Life」 プログラム コーディネイターの
シャナハンさんの説明

 

 

 

 

 

 

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参加された教員の方々のコメント:

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*  全般的によい訪問ができたと思う。特に教育は、そのステージだけではなく、幼少の頃から高校、大学までがひとつのステージと考えることが大切だと日頃から考えている。
参加者も自分のステージのことを視察するのではなく、保育園、支援学校など視察できたことが、今後の自分のステージの教育に反映されてくると思う。それぞれの校長をはじめ、教職員の方々が丁寧に応対してくれたのがとてもよかった。


*  どの学校も訪問を歓迎していただき、有難いと思った。また、日本と違って仰々しくないのがよかったと思う。本当の意味で開かれた学校だと感じたし、すべての先生がいつ誰が教室に入って来てもいいよ、という態度が好ましいと思った。公立中高等学校の多くの国籍を持つ生徒がいる学校を訪問できたのは良い体験だったと思う

*普通の旅行なら、見学できないような場所を訪問でき、見聞を広めることができた。
特にNZ教育省は、国全体の教育について企画、指導、監督できる機関で、個人的には、お会いできないし、説明を受けることができない。今回は、全般的な説明を受けるだけではなく、詳細な質問をすることができ、良かった。

*「勉強以外に興味のある子は勉強にも興味がある」と子供の力を信じる教師の自信にも圧倒されました。視察したそれぞれの学校で受け継がれているスクールハカを誇らしげに披露してくれた少年達のいきいきとした顔が素晴らしかったです。