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教育関連事業

【日本・ニュージーランド 教員交流事業】

2008年度
  日本人教員の「ニュージーランド教育視察」


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日本ニュージーランドセンターでは、夏の恒例交流事業となりました
日本人教員の「ニュージーランド教育視察」事業を2008年度も実施しました。

この事業はニュージーランドのハット市や、アジアニュージーランド基金
といったニュージーランドの公的機関が積極的に支援する
プログラム
です。
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●2008年度の参加者は;
関西地域の小学校、中学校の教員や、20 代からベテランの教頭先生や校長先生まで様々な教員の方々が参加されました。

●視察先は;
1) ニュージーランド独自の保育施設、
2) 公立小学校、
3) 私立男子中高等学校、
4) 公立共学中高等学校、
5) ニュージーランド教育省
を訪問し、訪問最終日に
「日本・ニュージーランド教育関係者によるシンポジウム」に出席、ニュージーランドの方々と貴重な意見交換を行いました。

●この「ニュージーランド教育視察」は現地の新聞でも取上げられ、2回に渡り記事掲載されました。



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●プレイセンター(保育施設):
ニュージーランド独自の保育施設で、世界でも注目を集めている保育スタイルです。親は、ニュージーランドプレイセンター連盟の統一された保育トレーニングプログラムで研修を受け、他児童の親と共同で子供を保育する保育のやり方は見習う点が多いと思われます。


 

 

●公立小学校
今年訪問したハット市内のこの公立小学校では、校長先生自ら訪問団への説明に丁寧に対応され、『地域で一番といわれる学校にしたい。』という高い意欲を伺いました。上級生生徒リーダーの案内で校内を回ると、迎える生徒達が皆明るく口々に笑顔で積極的に挨拶してくれるのが大変好ましく印象的でした。

小学校の図書室

 

 

 

● 私立男子中高等学校:

校長先生の歓迎の挨拶の後、ラグビー部学生による学校独自の「スクール・ハカ」の パフォーマンスで歓迎を受け、少人数に分かれて授業を視察。国連模擬授業のクラスも視察。講堂での全校生徒出席の表彰式に同席。650人の生徒の私語が無く、全員姿勢良く座っていた様は圧巻でした。

ラグビー部の学生がスクール・ハカで歓迎 

全校集会での表彰式

 

●公立共学中高等学校:

校長先生自ら、学生の服装の乱れを良くすることから学校内のマナーを正し、学力向上にも効果が現れていることなど、丁寧な説明を受けました。日本人教員訪問団は小グループに別れて希望の科目の授業を参観しました。同校のシェフ志望の学生達が我々日本人教員グループのために昼食を用意してくれ、その配慮と料理の素晴らしさが印象に残りました。

 


図書室で自習

 

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ニュージーランド教育省:
国際部特命部長からニュージーランドの教育制度について説明を受けました。その後、質疑応答でも丁寧に答えていただき、参加された日本人教員の方からも、ニュージーランド教育省で同国の教育制度について詳細な説明が聞けることは貴重な機会という声をいただきました。

ニュージーランド教育省 国際部プロジェクトマネジャー、
Mr Steve Benson

 

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日本・ニュージーランド教育関係者によるシンポジウム ●




日時:  2008年7月31日、9:30am-3:30pm
場所:  ハット市 ニュードウス美術館 会議室
参加者: 日本・ニュージーランドから54名
       (ニュージーランド教育省3名、 ハット市役所、
        コミュニティ関係者、ニュージーランド警察2名、
        公立高校校長、私学学校教員、中高等学校生徒、
        「教育視察参加」の日本人教員など)
テーマ: 「いじめと不登校について」

 

オグデン・ハット市長、箕谷日本大使館広報文化センター長の挨拶の後、「ニュージーランド教育視察」で訪問した日本人教員が自己紹介と学校視察の感想を述べた。

ニュージーランド教育省より担当者 3 名がニュージーランドの教育について説明。その後、いじめ、不登校について、NZと日本、各国それぞれの現状と対策が紹介された。

今回のシンポジウムでお互いの国の教育の現場の生の話が聞けて大変参考になると同時に、訪問した小・中・高校全ての学校から” いじめは断固として許さない ” という明確な方針と対策を事前に聞いたことがシンポジウムに参加する際の日本側参加者の参考になった。

ニュージーランドでは、学校内で大きなトラブル発生時には警察も即時介入し学校、親とともに協議するという、ニュージーラン警察から 2 人の青少年担当婦人警官( Youth Aid Officer )の出席、発言もあった。

シンポジウムの後、日本に滞在経験のあるNZの中高等学校の教員が、「日本で本当にいじめがあるのですか?信じられないです。」と聞いてこられたのが大変印象的であった。



活発な意見交換に聞き入るシンポジウム参加者




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●2008年度参加教員のコメント抜粋:

 
●(保育施設)

*市が場所や建物を提供し、運営は親が共同体で運営するシステムの本施設はとても合理的である。自分の子どもも、他人の子どもも同じように保育するのは親の横の連携にもなり、また同じ悩み(子育て)の共有者ともなり得る。核家族、地域崩壊、シングルマザーの子育て等、子どもをとり巻く状況が厳しくなる日本でも、大いに活用できるシステムだと思う。


*  幼な子を預けに来る若い母親(時には父親)が、この施設で段階を経た保育を専門家から学びつつ、自分の子どものみならず他人の子どもまでも世話している状況に驚いた。こうした養育の中で、若い母親も、自身を持って子育てできるという環境は、素晴らしいものであり、民間の力で運営されていることも立派である。

*  親の横のつながりの大切さを痛感させられた施設でした。親も学び、さらに学び続ける姿勢やボランティア精神で、協働する行動力は、日本がもっとも見習うべきことだと思いました。小麦粉と塩で作る粘土や豪華なモーニングティーを和やかに楽しむ姿は、とても印象的でした。


 

● (公立男女共学高等学校)

*  校長先生の学校を良くしたいビジョンのようなものがひしひしと伝わってきた。家庭環境の厳しい学校を建て直そうと頑張っておられる姿に敬意を表したい。一緒に回ってくれた生徒もしっかりエスコートしてくれ、リーダーとしての自覚をしっかり持っているなと感じると共に、生徒自らが学校のルールやマナーを正していこうという前向きな姿勢に好感をもった。休けい時間の先生方も、みんな仲が良く、教師集団がしっかりできていると感じた。


*  以前は服装なども乱れていたそうであるが、校長の指導の下に、立て直しが図られ、全体的にレベルアップされ、生徒達の授業態度も良かった。公立校故、色々な家庭背景を持つ子がいて、問題を起こす生徒もいる。この子たちを立ち直らせる為、学校も努力するが、謹慎として、マラエに送り生活させ、長老が生徒を生活指導することは日本にはない指導法として、印象に残った。
*  制服を採用し、新たな vision をもってリーダー育成等生活指導面、学力 up 面の両面において、学校改革をされている校長先生の苦労がうかがえた。ジャーナリストの授業を見学して、英語での授業に面食らったものの、高校生活の凝縮された一端を実感し興味深かった。  

 

 

 

 

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「ニュージーランド教育視察プログラム」の成果

◎【 ニュージーランド公的機関の協力プログラム】

学校訪問として、小学校、中高等学校(私立 1 校、公立1校)計 2 校、保育施設と計 4箇所視察しました。 アジアニュージーランド基金、ハット市役所というニュージーランドの公的機関の全面的な協力で実施されたプログラムです。  この視察グループによる訪問は各施設へ公式訪問として受入れられました。主たる訪問先の各学校では、教室の中に入り授業の現場を見ることが出来ました。

◎  日本・ NZ 教員の意見交換の貴重な機会

特に、訪問したニュージーランドの学校で授業参観だけでなく、参加者の日本の教員の方々が現場のニュージーランドの先生方と意見交換し、さらに学校の責任者である各校長先生などへ直接質問し意見を聞く機会があったことです。 参加の日本人教員らは校長先生方に日本の教育の現場が抱えている問題点を NZ ではどのように取り組んでいるかなどといった突っ込んだ質問をし、それぞれのニュージーランドの先生方から忌憚のない意見を聞き、 日本・ NZ の教員の意見交換の場を提供出来たことです。

 

【国際理解:
     ニュージーランドの歴史・文化・自然保護意識】

ニュージーランドでは中高等学校の約80%で日本語が教えられ、日本に高い関心の国である。英語はクイーンズイングリッシュできれいな発音。先進諸国の中でも治安が良く、豊かな自然とフレンドリーな国民性。このようなニュージーランドの理解のため、先住民族・マオリの文化と歴史を紹介し、現在のニュージーランドが多民族国家としてマオリの文化を受入れ共存発展している様子を紹介。自然保護先進国であるニュージーランドを代表するサンクチュアリーを訪問し、その高い環境保護への意識に触れる。このプログラムでは、このようなニュージーランドを紹介し 参加者への国際理解・ニュージーランドへの理解促進を図っています。

 

 

 

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日本の教員の方々は、ニュージーランドの教育の現場を見、NZの先生方と懇談、意見交換し、日本・NZ間の教員交流を深められました。参加教員の方からは「日本の全ての先生方にNZの教育の現場を見てほしい。」というコメントが寄せられています。

    一人でも多くの日本人教員の方にこのプログラムへの参加を呼びかけ、今後とも日本・ニュージーランド間の教員交流事業として継続実施し発展させていきたいと願っています。

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産経新聞に掲載された、
ニュージーランド教育視察の連載記事
「教育大国NZを行く」 第1回ー第3回 
9月23−9月25日版

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教室の中まで入って授業参観

 

 

 

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全校生徒が集まる集会


国連モデル授業風景

 

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シェフ志望の学生が用意してくれた素晴らしいランチ!



ジャーナリズムの授業


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参加された教員の方々のコメント:

● ニュージーランド教育省
*  ニュージーランドの教育制度、教育改革について、とてもわかりやすく丁寧な説明だった。学校現場のことも相当把握されており、学校の応援者としての役割を認識されていた。

*  色々な国の人々を受け入れる寛容さに驚いた。国家予算の19%をかけ、学力向上に向け取組んでいることが理解できた。

*  96%という公立学校の多さに驚き、その条件の下、さらに高い教育水準を保っていることに魅力を感じた。ただ、学力の二極化は日本も同じ悩みで、これからの動向が楽しみである

 

 

 

 

 

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シンポジウムで意見を発表される日本人教員

 

● シンポジウムに参加された先生方の感想(抜粋)

*いじめ、不登校という重いテーマにも関わらず、日本、ニュージーランドの教員、関係の方々との意見交流ができて本当によかった。このような機会を与えていただいたことに感謝します。それぞれの学校の取り組み、悩み、現状等を素直に出し、それに対するニュージーランドの先生方のご意見との交流は、本当に有意義であった。シンポジウムで学んだことを、自校でも可能な限り生かしていきたい。

* 不登校の問題、いじめの問題について、日本とニュージーランドにおいて、それぞれの共通点や相違点があることに気付いた。共通点について:保護者にそれぞれ問題があること。学校側も、それぞれの問題解決に取組んでいること。カウンセラーがいること。相違点について:ニュージーランドでは、警察が一家に行き、問題解決のため尽力していること。ニュージーランドでも、校長をはじめとする先生方ががんばっている様子、また、地域では青年層もがんばっていることがわかり良かった。私達参加教員も、私費を投じて来た価値が十分にあったと思います。

* 教育の問題・課題について、いろんな立場の教育関係者から貴重な意見、質問を聴くことができて、非常に有意義な時間を過ごすことができた。日本での取組み、条件の不十分さと同時に、利点・良いところも改めて実感することができた。国を挙げて教育に多額のお金をかけ、援助している点はすばらしい。校長や SW ( School Worker )による家庭訪問を行ったり、学校運営評議員会、コミュニティ、さらに警察も親の指導にかかわるという点は印象的であった。とても貴重なシンポジウムとなったことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

 



ニュージーランド警察、青少年担当官

 


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●(公立小学校)

* 校門を入るなり、どの子もみんな明るく元気にあいさつをしてくれる姿にとても親近感をもった。校長先生の説明で教育への情熱と愛情がひしひしと伝わり、胸が熱くなった。年長が年少を見るルール、いじめは許さないといったしっかりした学校文化を感じた。一緒に案内してくれた児童は、とてもていねいに、心づかいがとても嬉しかった。


*  子ども達の規律ある態度や明るさに好感が持てた。また、私達を案内してくれたリーダーたちも、実に礼儀正しく、誇らしげに見え、リーダーとしての務めを十分に果たしていた。一方、校長先生も異なる文化を持つ多民族の子ども達の教育のため、熱意ある教員たちとともにがんばっていることがうかがえた。

* 子どもたちの人なつっこい瞳と笑顔が印象的な学校の雰囲気でした。さらに地域の厚い信頼を得ようと、女性スタッフを充実させ、楽しい授業を展開し、いじめや暴力は絶対に許さないという強い信念をもって先頭に立っておられる校長先生が輝いていました。

 

● (私立男子中高等学校)
*  さすが優良校だけあって、生徒指導はきちんと(少し厳しい位に)されているように感じた。子ども達も一生懸命、学校に取組んで、誇りをもっているように思った。スクールハカもすばらしかった。
*  ハウス制度をもとにした縦割の集団がいろいろなスポーツで競い合い、生徒一人一人のモチベーションを高めていることが印象的であった。また、ハウスマスターがこまめに話し相手になり、生徒指導にあたっていることも、日本にはない取り組みであり、参考になった。日本語を勉強している子ども達も、大変熱心に、私達日本人教師にインタビューして来て、好感が持てた。

* 歓迎のスクールハカを間近で見られたこと、また生徒集会を傍聴(見学)でき、表彰や生徒のスピーチ、先生の指示の様子、さらに再びスクールハカを見られたことは、強烈な印象的な思い出となりました。他を圧倒する迫力は本物でした。縦割りのハウスシステムの取組や国連のモデル授業も興味深く、学生と交流し、彼らの一生懸命さ、礼儀正しさに感心し、教育者として学ぶことの多い一日でした。

 

 

 

 

 

 

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