教育関連事業
【日本・ニュージーランド 教員交流事業】
●2007年度 日本人教員の「ニュージーランド教育視察」
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日本ニュージーランドセンターでは、2006年度にひき続き2007年度も
日本人教員の「ニュージーランド教育視察」事業を実施しました。
この事業はニュージーランドのハット市や、アジアニュージーランド基金
といったニュージーランドの公的機関が積極的に支援する
プログラムです。
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●2007年度の参加者は;
関西地域の小学校、中学校、高等学校、養護学校、 20 代からベテランの校長先生方まで様々な教員の方々が参加されました。 ●視察先は;
1) 世界的に注目を浴びている NZ 独自の保育施設、
2)
公立小学校、
3)
私立女子中高等学校、
4)
公立共学中高等学校、
5)
ニュージーランド教育省
を訪問しました。
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●尚、この教育視察プログラムの取材記事は、
2007年9月25日から29日まで産経新聞の
5 回の連載記事で大きく取り上げられ掲載されています。
皆様も是非ご注目下さい。
産経新聞に掲載された、ニュージーランド教育視察の連載記事
「ナニワの先生NZへ行く」 第1回 9月25日版
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●プレイセンター(保育施設):
親が他児童の親と共同で子供を保育するユニークな保育システムの現場を見学。 『このNZ独特の保育システムは日本の子育てに悩む若い母親に絶妙の解決策ではないか!!』という日本の先生方から感想が寄せられました。
●公立小学校
講堂での全校生徒による歌の歓迎の後、各教室に入り授業を参観しました。参観した授業は外部講師による宗教(キリスト教)の時間で、教室では現場の NZ 教員に実際に行っている授業について質問が出来ました。講師の中には障害児の自分の子供を連れ、教室の児童と一緒に授業に参加させていました。教室の掲示はカラフル、クラス単位で団体で移動する際の並び方がユニークです。
● 公立中高等学校:
生徒数900名の共学校。生徒たちによる迫力あるマオリの歌と踊りで感動的な歓迎の儀式を受けた。小グループに分かれて授業参観し、日本語クラスでは参観の日本人教員の方が飛び入りで日本語のゲストティーチャーとしてスピーチをし、NZの生徒と交流を図った。校長先生との懇談では、日本人教員から活発な質問に一つ一つ大変誠実に答えていただき、日本・NZの教員で真摯な意見交換の場を提供することが出来ました。
校長先生との懇談会で
●私立女子中高等学校:
生徒数約700名。NZロイヤルバレイの元ダンサーが講師を勤めるバレイのクラスなど、優秀な講師・教員による講義、学生の個性を尊重する教育方針の優良私立女子校。海外からの留学生受入れも。生徒たちは礼儀正しく自習室で学生が自主的に勉強するような学校の環境つくりはすばらしい。
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ニュージーランド教育省の受付正面
●ニュージーランド教育省:
国際部マネジャー自らパワーポイントを駆使してNZの教育制度について説明、その後の日本人教員との質疑応答でも予定時間を大幅に越して丁寧に答えていただき大変参考になりました。
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● 日本の教員の方々は、ニュージーランドの教育の現場を見、NZの先生方と懇談、意見交換し、日本・NZ間の教員交流を深められました。今年の参加教員の方からは「日本の全ての先生方にNZの教育の現場を見てほしい。」というコメントが寄せられています。
●2007年度参加教員のコメント抜粋:
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●(保育施設) |
* ニュージーランド独特の施設として関心を持ち見学した。親と子のコミュニケーションの中で育てるというのは日本においても今求められる課題ではないかと感じた。 60 年以上続いているのは素晴らしい。 |
* NZ 独自のシステムと聞いていたが、百聞は一見に如かず、個性豊な教育であることに大変驚いた。遊具は充実しており、先生代わりの保護者たちも大変訓練が行き届いている印象を受けた。子供たちが大変かわいらしく、我々へのプレゼントの工夫も心あたたまるものがあった。 |
* 子育てのあり方として理想的な保育方法だと思う。システムがしっかり構築されていて、国の支援、ソフト面の支援も確立されているから続いているのだろう。子から孫へと受け継がれている保育に納得した。 |
● (公立男女共学高等学校) |
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マオリ式の歓迎の儀式や歌などにびっくりするとともに、生徒のその熱意に大きく感動させられた。校長はじめ、他の先生方も課題を解決すべく計画的に改革を進めようとしていることが伺えた。
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校長先生にも答えにくい質問まで誠意に真摯に答えていただいたことを感謝したい。この校長先生なら生徒の力は必ず向上すると確信した。 |
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寝そべったり絵を描いたりとありのままの生徒の姿が見られて良かった。マオリの生徒たちがたくさんの歌と踊りで歓迎してくれたことに感動した。日本人の日本語教員の方に出会えたことも良かった。比較的長時間見学できたうえ、校長先生の答えが真摯でありがたかった。 |
● ニュージーランド教育省 |
*
国が直接学校を指導、監督(監査)していることにまずびっくりした。しかし、学校運営に向けた学校評議員制度や教育に対する評価や情報の公開など日本とも共通していることも多いと感じた。
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昨日より今日の教育をより改革したいという情熱を感じ、ニュージーランドの教育が世界のトップになる日が近いと考える。私たちはよきパートナーでありたいと思う。予定の時間を越えても私たちメンバーの質問に真摯にお答えいただいたことに心から感謝。私たちはよきパートナーでありたいと思う。
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体系的なきちんとした話が聞けて、ニュージーランドの教育全体を大まかにつかむことができてよかった。時間にもっと余裕があればもっとよかった。 |
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「ニュージーランド教育視察プログラム」の成果
◎【 ニュージーランド公的機関の協力プログラム】
学校訪問として、小学校、中高等学校(私立 1 校、公立1校)計 2 校、保育施設、老人施設と計 5 箇所視察しました。 アジアニュージーランド基金、ハット市役所というニュージーランドの公的機関の全面的な協力で実施されたプログラムです。 この視察グループによる訪問は各施設へ公式訪問として受入れられました。主たる訪問先の各学校では、教室の中に入り授業の現場を見ることが出来ました。
◎ 【 日本・ NZ 教員の意見交換の貴重な機会 】
特に、訪問したニュージーランドの学校で授業参観だけでなく、参加者の日本の教員の方々が現場のニュージーランドの先生方と意見交換し、さらに学校の責任者である各校長先生などへ直接質問し意見を聞く機会があったことです。 参加の日本人教員らは校長先生方に日本の教育の現場が抱えている問題点を NZ ではどのように取り組んでいるかなどといった突っ込んだ質問をし、それぞれのニュージーランドの先生方から忌憚のない意見を聞き、 日本・ NZ の教員の意見交換の場を提供出来たことです。
◎ 【国際理解:
ニュージーランドの歴史・文化・自然保護意識】
ニュージーランドでは中高等学校の約80%で日本語が教えられ、日本に高い関心の国である。英語はクイーンズイングリッシュできれいな発音。先進諸国の中でも治安が良く、豊かな自然とフレンドリーな国民性。このようなニュージーランドの理解のため、先住民族・マオリの文化と歴史を紹介し、現在のニュージーランドが多民族国家としてマオリの文化を受入れ共存発展している様子を紹介。自然保護先進国であるニュージーランドを代表するサンクチュアリーを訪問し、その高い環境保護への意識に触れる。このプログラムでは、このようなニュージーランドを紹介し 参加者への国際理解・ニュージーランドへの理解促進を図っています。
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以上の点から、一人でも多くの日本人教員の方にこのプログラムへの参加を呼びかけ、今後とも日本・ニュージーランド間の教員交流事業として継続実施し発展させていきたいと願っています。
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>> 2008年度の「教育視察」はこちらへ
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ニュージーランド教育省の受付
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産経新聞に掲載された、ニュージーランド教育視察の連載記事
「ナニワの先生NZへ行く」 第4回 9月28日版
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学生がマオリの歌と踊りで歓迎
教室の中まで入って授業参観
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授業中の先生と生徒の芳情が明るい
低学年のバレイの授業
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ニュージーランド教育省 国際部プロジェクトマネジャー、
Mr Steve Benson
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●(公立小学校) |
* 先生の人数が少ないことに少しびっくりするとともに、アットホーム的な教育をしているのかも知れないと感じた。展示、掲示物はしっかり工夫されていた。 |
* 親密感のある受容的な対応によって心が癒された。一人一人の仲間を大切にしあう“共生”の意識が子どもたち一人一人の心のひだにまでしみ込んでいることを痛感した。 |
* 非常に良かった。子供達がフレンドリーに迎えてくれたし、授業の様子を間近で見学できたことは喜ばしいことである。一日中見学しても多分飽きなかったと思うので、次回は見学時間をもう少しのばしてみてはどうだろうか。 |
● (私立女子中高等学校) |
* 教師陣スタッフの自信のようなものがあったように思う。きめ細やかさの中で指導、育成しているように感じた。ロッカー室で自分達でしっかり自習していたのはこの学校のしつけであり、良さであるように感じた。 |
* どんな子でも受入れて一人一人の子どもの力をしっかり伸ばそうとする教育方針は素晴らしいと感じた。そのために少人数指導を徹底していることもうなずける。
* 校長先生の自信満々の姿勢と言葉には恵まれた環境で学ぶことができる生徒の成長ぶりがありありと伺えた。生徒たちの自主的に学んでいる時間の効果にも驚きうらやましい気持ちで一杯になり、 日本の進学校とは違うと思った。 |
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